ロシアの石油・ガス情勢について、ベトナム人と認識が違った話~ウクライナ問題

pipeline ベトナム経済

先日、会社のベトナム人メンバーとの雑談の中でロシアによるウクライナ侵攻の話になりました。以前の記事で書いたように、ウクライナ問題に関する報道はベトナム国内でも毎日のようにされるもののその報道の空気感はだいぶ異なる、ベトナム人も平和を願うコメントはあってもあまり表立ってロシアを批判しないよね、といったような話です。そして「米欧が制裁として、ロシアからの石油やガスの輸入をストップしようとしている」と話したところ、「それは逆でしょ、ロシアが制裁に対する報復として米欧に対して供給をやめると脅してるんでしょう」と返され、ずいぶんと驚きました。

確かにロシアはそう発言していた

後日その同僚が送ってくれた記事によると、彼女の指摘の通りロシアが米欧への報復手段としてヨーロッパへの天然ガスのパイプライン「ノルド・ストリーム1」を停止すると脅しをかけているのは事実のようです。ノルド・ストリーム2はここのところだいぶ耳にするようになりましたが、1は存在すら知らなかった。。そりゃ2があるんなら1はあるはずでしょうけど。調べてみたらブルームバーグの日本語訳記事が出てはきましたが、日本でこのニュースを耳にした人はずいぶん少ないんじゃないでしょうか。

噂のノルド・ストリーム

また同時に共有されたベトナム商工省の発表によると、これまた天然ガスのパイプライン「ヤマル・ヨーロッパ」はすでに西側へのガスの供給を停止しているとのこと。こちらに至っては日本語の報道はいっさい見当たりません。本来ロシア側からヨーロッパへガスを送るはずが長い間逆流してたなんて話もあり、今回もロシア側からの発表のみで本当に停止しているのかは怪しいところではあります。

それでは米欧が石油・ガスに関して追加制裁をするという報道がベトナム内でなされていないのかというと、そういうわけではありません。ただし、「アメリカだけが輸入をやめると息巻いても大してロシアは痛まない」といった具合にちょいちょいロシア寄りともとれるような描写も見受けられます。

ベトナム国内のガソリン価格が史上最高を更新

政治上のスタンスは上の報道からも読み取れるように「そんな感じ」ですが、経済の面ではどうなのでしょう。前回VNDIRECTのずいぶんと呑気な見通しを紹介したばかりですが、早くも原油高からくるガソリン価格の高騰がベトナム市民の実生活にも影響を及ぼし始めています。世界的な需要の高まりに加えて、今般のウクライナ侵攻が重なったことでガソリンの小売価格は史上最高値を記録。昨年末からの上昇幅は30%を超えてきました。

ベトナムでは公共交通機関がじゅうぶん発達しておらず、国民の生活の足はもっぱらバイク。政府はウィズコロナの方針を明確に打ち出し始めており、これまでのようにコロナを理由に外出を大きく控えるわけにもいかず、ほとんどの人が燃料費負担のインパクトをもろに受けてしまうことになるでしょう。もともとベトナムのガソリン価格は物価の割に高く、これで1リットル当たり約150円まで上がってしまいました。日本が今リッター170円くらいでしょうか?ベトナムは日本の物価の3分の1とか言われていますが、ことガソリン価格においては大して変わりません。

オクタン価95のガソリンと、バイオエタノール5%配合の混合ガソリンの価格推移。今回で7回連続の値上げ

ベトナム国内のガソリンスタンドもまた、価格の急激な上昇により赤字に苦しみ始めています。ベトナムでは政府の定める基本価格(国内小売価格算出基準)というものがあり、小売価格を自由に変えることはできないようです。その基本価格の調整が輸入価格の上昇ペースに追い付かず、石油会社は売れば売るほど赤字が積もっていっている状態。国を支える交通を担うガソリンを赤字だからといって売り控えるわけにもいかず、実際店を閉めると罰金が科されるとのことです。公的機関による資金注入など早期の対策の必要性が叫ばれています。

おわりに

現在この記事を飛行機の中で書いていますが、この原油価格の上昇は、せっかくビジネスの往来や観光ができるようになってやっと息を吹き返しはじめた航空業界にも早晩影響してくるでしょうね…。

ちなみに、オンラインチェックインにてあらかじめ足元の広い非常口前の席を指定していたのに、実際の機材の配置が違いそのひとつ後ろの普通の席に。。僕が座るはずだった広い席に座った人は離陸前から座席を倒してきて、僕のスペースはさらに縮小。CAさんが注意→寝たふり→仕方なくCAさんが席を起こす→いなくなるとまた倒すを3回繰り返した挙句、4回目をCAさんが黙認し長い間続いた攻防は終了。そして後ろの席の人の素足はいつの間にか僕の肘掛けに置かれ、彼の足の爪が僕の肘を突き刺しました。なかなか不快な空の旅となりました。

今回はたまたま前後ともベトナム人だったけど、迷惑な人は国籍問わずいますね。

参考資料・画像引用元

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