【速報】不動産業界の巨人、逮捕。ベトナム投資プロジェクトのますますの停滞が怖い

apartment ベトナム経済

昨晩、またも衝撃的なニュースが飛び込んできました(実際には昨日の夜ニュースを目にするやいなやアズスーンアズPCに向かってます。ベトジョーに勝つで!)。最高人民検察院の承認のもと、警察捜査局公安部により大手不動産会社・タンホアンミングループ会長兼社長ド・アイン・ズン氏が逮捕されました。

タンホアンミンといえば、以前当ブログで紹介したホーチミンの新都心トゥーティエムの入札地のありえない高額落札→キャンセル事件で、かねてより様々な疑惑が浮上していたまさに当事者中の当事者です。

3月30には株価操縦と情報隠蔽の疑いで別の新興財閥FLCグループの会長、チン・バン・クエット氏が逮捕されたばかり。これら一連の動きは不動産開発のみならず、ベトナムの投資プロジェクト推進にさらなる影を落とす可能性がありますね…。

不正な社債発行と、11案件の不正疑惑

昨年7月から今年3月までの間、グループ会社の社債を使い投資家から約550億円を不正に集めた疑い。トップであるズン氏に加え、グループ傘下の幹部6名が同じく訴追されています。一昨日には当該社債の取引停止も決定されています。同日には、ファム・ミン・チン首相が特に社債・証券・不動産における不正取引の是正のさらなる強化を打ち出したところでした。がっつり本件を受けてのことでしょう。

今回の逮捕劇に先立ち、同社が開発したハノイの不動産プロジェクト11件についても不正の疑惑で既に捜査が開始されています。ハノイ市傘下の計画投資局、天然資源局、計画建築局、建設局、税務当局など各局総出で疑惑の解明が始まっています。ざっと物件一覧を見た感じ、タンホアンミンがハノイで開発した物件のほぼ全部なんじゃないかという…。最近竣工した物件のなかには、まだ購入者に対してピンクブック(不動産の使用権を証明するもの)が発行されていないものもあるんじゃないかと思います。ピンクブックのない不動産は、売却価格ががくっと下がってしまいます。この手のトラブルはベトナムではちょくちょく発生しますが、こう同時多発的に来られると不動産市場全体への影響が危惧されます。

同社が開発し、現在捜査中の高級マンション

FLCグループ会長も逮捕されたばかり

先月末には、今やコングロマリットとなったFLCの会長も株価操作と情報隠蔽の疑いで逮捕されています。同社はベトナム航空、LCC最大手のベトジェットに次ぐ国内3位のバンブー航空を擁し、数多くの不動産案件を手掛けています。最近ではハイテク農業や製薬事業、金融サービスにも手を広げています。一昨日と昨日には、会長のふたりの妹が同氏を幇助した疑いでそれぞれ逮捕されています。FLC株は会長の逮捕の前後に4日連続のストップ安を記録。今回の逮捕に繋がったのは、今年1月に無届けで自身の同社株を大量売却して罰金を科されていた件で、このときにも6日連続のストップ安を招いていました。ちなみにこの人、2017年にもおんなじことやってます。

今後のベトナム投資プロジェクトの運命は…

(ここからは僕の感想です。統計に基づいたものではなく、あくまで当地に身を置いているなかでの印象です。)

…こうなってくると、不動産開発に限らずあらゆる分野での投資案件に対してさらなる悪影響が出てきてしまうのではないかと心配になってきます。国のトップが以前にも増して声高に不正撲滅を掲げ、適切に規制が強化されていくこと、ひいては経済全体の透明性が上がっていくこと自体は当然歓迎すべきことです。しかし、短期的にはその反動としてあらゆるレベルの役人たちが許認可を出すことに二の足(いや、五の足くらい)を踏んでしまい、投資案件が大幅にスローダウンしてしまったり最悪完全にストップしてしまう事態が考えられます。いま現在当地でビジネスをやっている身としては正直なかなかツライところです。許認可停滞の動きは2010年代後半から始まっており、一方で新たな不正は生まれ続けているという事態はもはや立派なカントリーリスク。。どうかベトナム全体の成長が止まりませんように。

今日のところはまだ情報が全然出てきてないのでこのへんで。ふざけた記事が書きたいよ~。

いまだ渦中のトゥーティエム(写真左の暗がり)と、川挟んだ向かいの現ビジネス街

参考資料

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