みなさまご存じのように、ベトナムの通り名は大半が歴史上の偉人の名前からとられています。なんと法令にちゃんと定められてます。
では街中にある通りの中で、いちばん多く採用されている名字は何でしょう?まずはハノイで調べてみましたよ。今回のソースはこちら。
観光マップですね。
このように漢字も併記されていて勉強になります。逆に、なんかデザインが古く作成時期は不明。。2015年に開通したニャッタン橋が完成した形で記載されているのでそこまで古いわけではないみたいですが。
索引も載っており、ここからハノイの通り名に多く使われている名字をピックアップしていきたいと思います。東はロンビエン区まで、西はナムトゥリエム区まで、北はタイホー区まで、南はホアンマイ区の一部までに限られ、小さな通りは大胆に省略されているのであくまで参考程度ですね。
歴史的偉人がメインとなるわけなので、歴代の王朝の名前を辿ってみることにします。それではいってみましょう!
ゴー(Ngô/吳):5名
呉朝を創建したゴー・クエン(Ngô Quyền/吳權)など5名がラインナップ。王朝時代が存続したのが30年ほどと短期間のせいか、思ったよりも少ない印象です。
ディン(Đinh/丁):1名
ディン・ティエン・ホアン(Đinh Tiên Hoàng/丁先皇)1名のみの登場。それもそのはず、王朝は呉朝より短い14年しか続かなかったからです。。ディン・ティエン・ホアンが建国した大瞿越(Đại Cồ Việt)の名前も通り名に残されていますよと逃げを打つ。
リー(Lý/李):4名
千年の都タンロン(Thăng Long/昇龍)を開いたリー・タイ・トー(Lý Thái Tổ /李太祖)など4名が登場。李朝自体は200年余り続いたのですが…辿り方ミスった?
チャン(Trần/陳):20名
やっと二ケタの大台に。モンゴルを3度撃退した将軍チャン・フン・ダオ(Trần Hưng Đạo/陳興道)を筆頭に、ベトナム共産党の前身であるインドシナ共産党の初代書記長を務めたチャン・フー(Trần Phú/陳富)、モンゴルが襲来した頃の当主だったチャン・ニャン・トン(Trần Nhân Tông/陳仁宗)と、同じくモンゴルに抵抗して若くに戦死したチャン・クォック・トアン(Trần Quốc Toản/陳國瓚)など、モンゴル撃退にまつわる人物が多く登場してきますね。
ホー(Hồ/胡):2名
ホー・チ・ミンとともに民族解放に奔走したホー・トゥン・マウ(Hồ Tùng Mậu/胡松茂)と、ハノイ医療大学の初代理事長を務めた医師ホー・ダック・ディ(Hồ Đắc Di)という王朝とは関係のない2人がお目見え。ちなみに、同じHồでも湖を表す方でHồ Mễ Trì/米池湖という通りもあります。
レ(Lê/黎):14名
長期政権を敷いた黎朝(後黎朝)にまつわる人物をはじめとして多数がラインナップ。建国者であるレ・ロイことレ・タイ・トー(Lê Thái Tổ/黎太祖)、その家臣レ・ライ(Lê Lai/黎来)、5代目皇帝レ・タイン・トン(Lê Thánh Tông/黎聖宗)のほか、前出のチャン・フーを継いでインドシナ共産党の書記長を務めたレ・ホン・フォン(Lê Hồng Phong/黎鴻峰)、ベトナム共産党初代書記長のレ・ズアン(Lê Duẩn/黎筍)の名前も挙げられます。
マク(Mạc/莫):0名 ※省略されてた
まさかの0名。王朝は150年続いたのに。。んなわけないだろと思ってさらに調べてみたら、マク・ディン・チー(Mạc Đĩnh Chi/莫挺之)とマク・ティ・ブイ(Mạc Thị Bưởi)が見つかりましたが、がっつり索引では省略されていました。前者は陳朝の学者、後者は20世紀にフランスに抵抗した革命家と、またも王朝とは直接関係なし。
グエン(Nguyễn/阮):44名
やっときました。想像通りとはいえ、やはりダントツの人数です。これまで本ブログで個別に紹介してきた人物ももちろん入っています。人も道もグエンだらけ。紛らわしいので独占禁止法を発動してほしい。
他に多かった名字:ホアン、ファン、ファム、ルォン
その他目立った名字としては、Hoàng Diệu/黃耀などのホアン(Hoàng/黃)、Phan Bội Châu/潘佩珠などのファン(Phan/潘)、Phạm Ngũ Lão/范五老などのファム(Phạm/范)、Lương Định Củaなどのルォン(Lương/梁)などなど。それを受けての最終結果はこちら!
最終結果発表
ということで最終結果は以下のようになりました。
- グエン(Nguyễn/阮):44名
- チャン(Trần/陳):20名
- レ(Lê/黎):14名
- ホアン(Hoàng/黄):9名
- ファン(Phan/潘):7名
- ファム(Phạm/范):6名
- ルォン(Lương/梁):6名
- ゴー(Ngô/吳):5名
- リー(Lý/李):4名
以下略。…なんか見たことある並び……と思ったら、コレでした。↓
ほぼほぼ現代のベトナム人の名字ランキングと同じですね。どういう因果かはわかりませんが、ともあれ見慣れた結果になりました。なんでしょう、ベトナム人のみなさま方もニッコリな結果ということでしょうかね。
ぜひともホーチミンの地図もゲットして検証してみたい!ほとんど変わりばえのない結果になるとは思いますが…。
参考資料・画像引用元
- Ha Noi Cultural Tourist Map
- Wikipedia
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