ベトナムの空港のイミグレ・保安検査を最速8分で通過する方法

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ベトナムの空港は極めてオペレーションが悪いです。全体的にシステムも旧型で、空港職員の質も低いため各ポイントで死ぬほど待たされることになります。出入国審査官も態度が悪いし、税関職員が乗客に賄賂を要求する話は令和の時代にあって未だに出てくる体たらくです。ドイモイ政策が打ち出され、市場経済に移行して30年経っても、完全に競争に晒されていないぬるま湯国営企業と公務員はほんとダメですね。ベトナム航空もかなりの赤字が続いているようですが大丈夫かしら。。

僕はこの空港での待ち時間(搭乗ゲートに出る前)が本当に嫌いで、昨年日本への出張の際どうしてもベトナム航空を使わざるを得なかったときには、チェックインから保安検査通過までに1時間半以上かかり発狂しそうになりました。日本の空港だとチェックインに多少もたつくことはあっても、イミグレも保安検査も機械化されていて20分かそこらで搭乗ゲートです。

そんななか、先日ゴールデンウィークで一時帰国した際、ハノイのノイバイ空港で車を降りてから保安検査を通過するまで、わずか8分という記録を打ち立てました。クソオペのベトナムの空港で、1時間半以上かかることのある行程が、8分です。

今回は日本とベトナムを行き来する出張者・駐在員のみなさまに向けて、空港での時短にまつわる話を書いていこうと思います。出張族なら知ってるわ・やっとるわって話がメインにはなりますが、意外と知られていない話もさりげなく散りばめていきますよ。

空港内に立ち、LED フライト スケジュール掲示板を見ている男性

ベトナムの空港の待ちポイント5か所

ベトナムの空港での待たされポイントは、ハノイのノイバイ空港から出国する場合を例にとると大きく5つあります。

1.航空会社のチェックインカウンター。国内線だとオンラインチェックインが可能ですが、国際線だとできないみたいですね。預入れ荷物がある場合にはどっちみちチェックインしないといけません。ベトナム航空の場合はもう特別に待たされます。なんで毎日同じ業務してるのにこんなに効率悪いのこの子たち?

2.イミグレ(出国審査)前のチェックポイント。ここでパスポートと航空券をチェックされ、いちおう顔写真と実際の顔も照合されます。国内線でも保安検査の前にあるフローなのですが、このチェックポイント自体そもそも必要ある?ムダフローに思えてなりません。日本の空港でも行程としてはあることはあるものの、顔認証で即通過です。

3.イミグレ。ベトナム航空やベトジェットなど、ベトナム系航空会社かスカイチームの上級会員またはビジネスクラスの乗客は優先レーンがあります。その他、ディプロマのパスポートや後述するABTCカードなどのチートツールがない場合、ここ重要です。

みなさんはALL PASSENGERSと書かれた緑色のランプが点灯している列に並ぶことになりますが、必ず緑色の列のいちばん端、つまり赤色ランプの列の隣に並ぶようにしましょう。赤色のラインは該当者がいない場合、小さいお子さんがいる家族連れに振り分けられることが多いです(ここはベトナムのいいところかと思います)が、それでも人がいない場合に隣の緑ラインに並んでいる人を招くからです。本来の緑ラインに加えて隣の赤3列を独占して、他の緑より最大4倍効率がいい、なんてケースも目撃したことがあります。そんな仕組みにすんなよ、と思うところですがここ穴場ですのでお試しあれ。3倍速はさすがにレアケースでしょうが、少なくとも他の緑より遅くなることはないだろうと思います。

このときは家族連れで赤ランプも人でいっぱい

4.保安検査。保安検査のタイミングは空港(国)によって違いがあり面白いポイントですね。ベトナムの場合はイミグレ通過後すぐ、になります。そしてまた並ぶ。。ベトナムの空港では上着はもちろん、ベルトも靴も脱がされます。パスポートと搭乗券もこのときは手放すことになり、紛失しないか心配です。そんな保安検査を手早く済ませるコツとしては、ケータイなどポケットに入っているものや時計・ベルトはすべてカバンの中に予め入れてしまっておくことですね。小物はしまって、PC・タブレット端末は出しておく。うっかりPCしまいっぱなしだと再検査がウザいです。検査官エラソーだし。

冒頭8分で通過した、というのは上記1〜4(しいて言えば+車からチェックインカウンターまでの移動)が8分だったということです。

5.搭乗。ここは特に小技的なものはないかもです。そもそも飛行機の頭上に収納する荷物がなければ、先を争って早く搭乗するメリットがありません。しかし、あまり遅延しない日系のフライトは出発時刻と搭乗時刻にあまり差がなく、ベトナム系のフライトはやたら早く呼びつけるくせによーけ遅れて待たされますね。。電光掲示板も本当に最新情報を反映しているか不安で、あまり信用できずどうしても早めにゲートに行ってしまいますね。

ベトナムの空港の待ちポイントはすべてショートカットできる

白い飛行機の横にある白いトラック

はい。上記に挙げた待ちポイントはすべて、ショートカットが可能です。方法は大きく分けて2種類。

ひとつ目は、各航空会社の上級会員になることです。それ自体は有名な話ですが、ベトナムの空港を利用するうえで上級会員が強いのは、上記1(チェックイン)と5(優先搭乗)に加えて2(イミグレ前)と4(保安検査)まで優遇されるという点にあります。航空券にPRIORITYという赤いハンコが押され、やっとの思いでイミグレを通過したあとに待ち構える保安検査の待機の列を尻目にさくっと抜けることができます。ホーチミンのタンソンニャット空港で確認したことはないですが、たぶん一緒でしょう。(追記。ホーチミンのタンソンニャット空港では2の行程そのものがない代わりに、4の優遇がないことが確認されました。すみません!)ただしこの運用がいつまで続くかは不透明です。この神優遇が続いている限りは、まじで上級会員最強です。一度経験したら、もう平会員の航空会社は使いたくないレベルです。

少し話は逸れますが、最近ハノイ↔︎︎ 成田間の往復の際にはANAのエコノミークラスの席が直近4回に3回はプレミアムエコノミーにアップグレードされています。プレエコに空きがあれば上級会員は無料でアップグレードできるという記載が公式にはなくなったとはいえ、実際の運用としてはそれが続いているようです。ベトナム線は意外とプレエコの需給が緩いのかもしれません。まさにこの記事を機内のプレエコの席で書いていて、現在21席中8席が空席で両隣とも空いています。この点を踏まえても、やっぱり多少修行をしてでも上級会員は狙っていきたいところですね。快適すぎる。

本線に戻ります。そんな各社の上級会員でも並ばなきゃいけないのがイミグレ(出入国審査)。ただ前述の通りローカル系の上級顧客には優先レーンがあります。その他に優先されるのはクルー(パイロットやCA)、ディプロマ(外交員)とABTC。このABTCこそが、ふたつ目の方法です。

正式名称APEC・ビジネス・トラベル・カード 。ベトナムを含むAPEC加盟19国のイミグレを通過する際に、優先レーンを利用できる魔法のようなカードです。東南アジアを頻繁に行き来する人に絶大なメリットがあります。個人での申請はできず、法人経由での申し込みになります。もし所属している会社が申請してくれるのであれば、迷わず発行してもらいましょう。有効期限は5年(パスポートの有効期限が5年未満ならそれと同期間)で発行手数料が1万3000円、代行業務を外注するとさらに手数料がかかりますが、国によってはビザなしで最長90日間滞在できる(ベトナムは60日間)ようにもなり、ベトナムの場合は30日以内の再入国の際に必要となるマルチビザも不要となるためベトナム出張が多い方であれば金銭的にも充分な恩恵があります。
余談ながら、ベトナム人が日本行きのビジネスビザを取得するのは日本から招待状を出す必要があるなどかなり面倒なのですが、ABTCを持っていれば当然それも不要となり、招待する方もラクになります。

なお、コロナなのかなんなのか、申請してから実際に発行されるまでなんと2年かかりました。。同時期に申請した同僚はまだ発行されていないとのこと。加盟国すべてに申請が回るらしく、どうも止めている元凶はベトナムという噂。ほんとにこの子は……とにかく申請はお早めに!下手すると発行される前に国内の部署に異動しちゃったりして。

また、レジデンスカードや長期のビザを持っている人がABTCを使ってイミグレを通るとABTCの滞在猶予期間90日が適用されてしまうことがあるようで、入国審査官にはABTCカードを見せずレジデンスカード等を明確に提示し、念のため入国印の隣に滞在期限が記載されていないか確認しましょう。僕の先日の騒ぎはコレが原因だったのでは…と今になって戦慄しています。今思い返してみても最悪だった。

ちなみに、ベトナム航空関連

普段はANAを利用している僕が先日ベトナム航空(VN)を使って発狂しそうになったのは冒頭の通り。それからすぐに、VN地獄脱却のためにデルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード(年会費28,600円。税込、以下同)なるカードを申し込みました。
これでVNの所属するスカイチームにおいてもエリートプラスという上級会員ステータスを獲得することになり、ノイバイでも成田でも容赦なく激混みするチェックインを回避することが可能にはなりました。しかし、なんとこれではベトナム国内線搭乗の際にラウンジに入れないことが発覚(国際線から乗継ぎの場合はOK)。年間3万近く払ってそれはあまりに微妙、ということで、即座に解約して代わりに現在「ベトナムエアラインズカード」という非常にマイナーなカードに入会しています。

青い券面の一般カードだと会員ステータスとしては平会員に毛が生えた程度でラウンジも使えませんが、年会費が5,500円とデルタアメックスゴールドと比べて格安で、しかも初年度は無料。ラウンジは他のクレジットカードで手当てしつつも、とにかく国際線ではなるべくベトナム航空に乗らない、ということを徹底したいと考えている今日この頃です。これのゴールドカードは謎に44,000円もするのでこちらは却下。
※なお、国内線においてはいつもオンラインチェックインで済ませてしまっており、入会後これまでこのベトナムエアラインズカードの恩恵をまったく受けていないことにたった今気付いた次第です。

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